はじめに
自宅のDIYを進める中で、第二種電気工事士の資格がなければ行えない作業があることを知り、取得を決めました。 将来的には太陽光発電と蓄電池を組み合わせた自家消費システムの構築や、農業を行う際のビニールハウスへの電源配線なども見据えており、実務に直結する技術としての取得を目指しました。
学科試験の経過については前回の記事で取り上げましたので、今回は学科試験通過後に行った実技(技能)試験の準備、勉強手順、当日の注意点について客観的にまとめます。
実技テストに向けて
準備編:購入した教材・工具と購入先の選び方
学科試験の合格を確認した直後から、実技試験に必要な物品の手配を進めました。実際に揃えたものは以下の通りです。
- テキスト 基礎的な施工手順、各問題の寸法、複線図の書き方が把握できれば十分であるため、価格を重視して手頃なものを1冊購入しました。
- 工具セット 業務で使い慣れていた実績から、HOZAN(ホーザン)の電気工事士技能試験用工具セット(DK-28)を選択しました。
- 実技練習キット(部材一式) 公表問題全13問の練習に対応した器具・電線の部材セットを選定しました。
工具セットと実技キットは、それぞれ15,000円から20,000円前後の費用がかかります。Amazonと楽天市場を比較したところ本体価格に大きな差がなかったため、ポイント還元率の高い楽天市場を利用して購入しました。
勉強編:段階的な練習スケジュールと時間配分
練習は、部材が手元に届く前と届いた後で段階を分けて計画的に進めました。スキマ時間に勉強とかは出来ず、ガッツリと1時間は実技試験のテスト勉強に必要なので、社会人だと、時間の確保が大変です。
ステップ1:部材到着前(複線図の習熟)
テキストを読み込み、単線図から複線図へ書き換えるルールを把握しました。2〜3日かけて全13問のパターンを書き出し、単線図を見てから2〜3分程度で正確に作図できる状態を目標にしました。
ステップ2:1周目(器具の構造と寸法の把握)
届いたセットを使用し、全13問を一通り施工しました。この段階では時間を計測せず、各器具の結線方法、電線の剥ぎ取り寸法、専用工具の扱いに慣れることを最優先としました。
ステップ3:2周目(35分以内を目指す時間管理)
タイマーで時間を計測しながら2周目を実施しました。作業手順を見直し、無駄な動作を減らすことで概ね35分程度で完成できるようになりました。補助教材として、YouTubeの「ガミデンキ」チャンネルの施工動画とテキストの解説を併用しました。
ステップ4:直前2日間(ミスの復習と再施工)
試験の2日前から、1周目・2周目でミスをした問題のみを抽出して再度施工し、欠陥が出やすい箇所のチェックを行いました。
ステップ5:前日午後(複線図の高速作図)
当日の施工時間を最大限確保するため、問題用紙を見て迷わず複線図が書けるよう、手書きでの作図練習を反復しました。
| 工程 | 目安時間 | 主な作業内容 |
|---|---|---|
| 問題確認・複線図 | 2〜3分 | 施工条件の確認、余白への複線図・接続マークの記入 |
| ケーブル・部材加工 | 15〜18分 | 寸法ごとの切断、外装シース・被覆のストリップ、器具への結線 |
| 接続(圧着・コネクタ) | 10〜12分 | リングスリーブの刻印確認、差込形コネクタの挿入 |
| 最終見直し・寸法確認 | 3〜5分 | 極性(白・黒)、心線露出、リングスリーブ刻印、寸法の欠陥チェック |
試験当日の様子と会場での注意点
試験会場は学科試験とは異なる大学でした。交通アクセスは良好でしたが、試験室の環境には注意が必要でした。
座席は3人掛けの長机に1〜2名が交互に配置される形式でした。大学の講義用机は奥行きが狭く、工具箱、部材セット、ゴミ袋、受験票を置くと作業スペースが圧迫されます。工具を取り出しやすい位置に整列させ、不要な箱は足元に逃がすなど、机上の配置工夫が不可欠でした。
作業自体は順調に進んでいたものの、集中していたため想定以上に時間の経過が早く、気づいた時点で残り10分を切っていました。さらにその段階でリングスリーブの圧着マーク誤りに気づき、該当箇所を切断して再圧着を行ったため、最終的な完成は終了の2分前でした。 残りの2分で配線全体の極性や欠陥の有無を確認し、試験終了となりました。誤圧着のリカバリーにより、時間的な余裕はほぼありませんでした。
実技試験で直面した課題と対策
実際に受験して感じた主な課題は以下の4点です。
- 40分という制限時間の短さ 寸法の確認や施工後の見直し、予期せぬ修正を考慮すると、40分は非常に短い設定です。本番で焦らないためには、練習段階で30〜35分以内に完成させるペース配分を身につけておく必要があります。
- 一発不合格となるシビアな欠陥基準 心線の過度な露出、被覆の噛み込み、リングスリーブの刻印相違など、軽微なミスが1箇所あるだけで不合格となります。完成後も見直し手順をルーティン化しておくことが重要です。
- 初期の習熟コスト 勉強を開始した当初は、器具の構造や電線の剥ぎ取り、専用工具の取り扱いに慣れるまでに半日ほどを要しました。最初の数問は時間を気にせず、正確な作業を覚えることが近道です。
- まとまった練習時間の確保 実技試験の練習は部材や工具を広げる必要があるため、机上でのスキマ時間の活用が困難です。休日に2〜3時間単位の作業時間を確保するスケジュール管理が求められます。
練習用電線(銅線)の追加手配と端材の処分法
練習を進める中で電線が不足したため、追加購入を行いました。銅線の価格が高騰しているため、部材費を抑える工夫が必要です。今回はVVF 1.6mm^2の2心ケーブルをAmazonで補充し、その他の規格のケーブルは楽天市場でまとめて手配しました。
なお、練習過程で発生した電線の端材や切断クズは、以下のように活用・処分できます。
- DIYへの転用 自宅の電気柵の配線補修や、軽微な配線作業の資材として活用できます。
- 金属スクラップ回収業者への売却 まとまった量の銅線端材がある場合、金属スクラップ回収業者に持ち込むことで銅くずとして有償で売却が可能です。
材料費がかさむ試験であるため、端材であっても処分せず保管しておくことを推奨します。
まとめ
第二種電気工事士の技能試験は、1箇所の欠陥で不合格となるため、公式の合格発表を確認するまでは結果を確信できませんでした。
追加で購入した機材などについて、もう少し詳しく書きたかったのですが、記事が長くなってしまうので、需要があるようでしたら、追記しようと思います。
結果として無事に合格でき、今後は当初の目的であった自宅DIYや農業設備の配線作業に知識と技術を活かしていく予定です。今回の経験を踏まえ、今後は実務に関連する新たな資格取得(狩猟免許など)も検討しています。

