はじめに
これまでテンキー付きのメカニカルキーボードを使っていましたが、机が狭く、作業中にちょっとメモを取る際などにキーボードが邪魔になっていました。
そこで、デスクスペースを確保して作業効率を上げるため、テンキーレス(80%レイアウト)のAULA(オーラ)製キーボード「F87 Pro」の英語配列(US配列)モデルに買い替えました。
昔Linuxのコンソールなどで少しだけUS配列を触ったことがある程度で、基本的には日本語配列(JIS)ばかり使ってきたため、ほぼ初心者として四苦八苦しています。
今回は、移行にあたって戸惑ったポイントと、Windows環境での具体的な解決策を紹介します。
1. 抜群のビルドクオリティを誇る「AULA」とは?

今回購入した「F87 Pro」のメーカーであるAULA(オーラ)は、中国の「SOAI Electronics(深圳市索莱电子有限公司)」という企業が展開するゲーミングデバイスブランドです。
実は自社工場を持つ大手OEM・ODMメーカーであり、最近ではキーボード専門の人気ブランド「EPOMAKER(エポメーカー)」と共同開発を行うなど、キーボードファンの間でも一目置かれる存在。 大手メーカーならではの量産効果により、驚くほどの低価格でありながら、非常にクオリティの高いキーボードを市場に送り出しています。
2. メカニカルキーボードならではの抜群の打ちやすさ(と、戻れなくなる副作用)
この「AULA F87 Pro」は、プレートを柔軟な緩衝材で挟み込む「ガスケットマウント」構造を搭載したメカニカルキーボードです。5層にも及ぶ吸音材が敷き詰められており、非常に静かでしなやかな打鍵感を実現しています。
実際にタイピングしてみると、キーの押し心地が良く、底打ち感もしなやかで非常に打ちやすいです。テンキーレスになったことでデスクが広くなり、キーボードの脇や手前にノートを広げてスムーズにメモを取れるようになりました。
しかし、この素晴らしい打鍵感に慣れてしまうと、少し困った副作用があることにも気づきました。
一度この打鍵感に馴染んでしまうと、外出先などでメカニカルではないキーボード(ノートPCの薄型キーボードなど)を触ったときに、驚くほど上手くタイピングができなくなってしまうのです。 キーの押し込み深さ(ストローク)や反発のフィードバックが異なるため、頭でイメージしているタイピングのタイミングが微妙にずれてしまい、タイプミスを連発してしまいます。
それほどまでに指先がこの打鍵感を求めてしまう、ある種の中毒性があります。
3. 「@」や「*」はどこ? 記号の配置に大混乱

不慣れなUS配列で最もつまずいているのが、記号の入力です。キートップの印字と、体感で覚えている位置が異なるため、タイピングのスピードが落ちてしまいます。
特に以下の記号で指が迷子になります。
- 「@(アットマーク)」 日本語配列では「P」の右隣でしたが、US配列では「Shift + 2」にあります。
- 「*(アスタリスク)」 「Shift + 8」に配置されており、入力のたびにキーボードを目視して探してしまいます。
- 「+」や「=」 バックスペースの左隣(日本語配列で「ほ」や「へ」があった場所)に並んでいます。
記号を入力するたびに、長年の日本語配列のクセで右手が勝手に動いてしまい、空振りする日々です。
日本都と英語配列のキーボードの違いについて、視覚素材ツールを作ってみました。
JIS(日本語) vs US(英語)配列 視覚比較ガイド
ブログ用図解・確認用のインタラクティブキーボード図
JIS 日本語配列(標準レイアウト)
一般的な日本のPCキーボードUS 英語配列(AULA F87 Pro などの配列)
シンプルで無駄のない世界基準レイアウト上のキーをクリックしてください
使い始めて半年くらい経過したので、やっと英語配列のキーボードの配列に身体が慣れてきました。日本語キーボードは、使いこなせるかなぁ…。ちょっと心配。
4. Windowsでの日本語変換(IME切り替え)に困惑する
日本語入力と英語入力の切り替え方法
Windows環境で最も焦ったのが、「日本語入力と英語入力の切り替え方法」です。
US配列には、キーボード左上にあった独立した「半角/全角」キーがありません. もちろん「変換」「無変換」キーも存在しないため、最初の入力切り替えで少し困惑してしまいました。
特に私のPC環境では、「Google 日本語入力(Google IME)」と「Microsoft IME」の両方を併用しているため、それぞれの切り替えショートカットキーを整理する必要がありました。
結論として、それぞれのIMEで以下のショートカットキーを使い分けて解決しています。
- Google 日本語入力:
Ctrl+~(またはCtrl+Space) Google IME側、あるいは以前使っていたLinux環境の操作感に合わせて、この組み合わせをメインに使用しています。 - Microsoft IME:
Alt+~(バッククォート/チルダ) Windows標準のMicrosoft IMEにおけるデフォルトの切り替えショートカットです。
「半角/全角」キーを1回叩くだけの操作に慣れていたため、これらの複数キーを同時押しする感覚を早く指に覚え込ませる必要があります。
確定後の「再変換」に潜む最大の罠
また、日本語配列の「変換」キーで行っていた「確定後の再変換」もUS配列ではキー操作が変わるのですが、ここに落とし穴があります。
当初、Google 日本語入力で「確定直後のやり直し(確定取消)」をするために Ctrl + Backspace を使おうとしましたが、ここでトラブルが発生しました。
多くのテキストエディタやWebブラウザでは、Ctrl + Backspace が「直前の単語を丸ごと一括削除する」というアプリ側のショートカットとして強制的に機能してしまうのです。そのため、未確定に戻るどころか、入力した文字がすべて消えてしまう挙動になってしまいます。
これを回避し、US配列でも安全かつ確実に再変換を行うには、以下の方法がベストです。
- 最も確実な共通の解決策:
Win+/(スラッシュ) Google 日本語入力とMicrosoft IMEの両方で使える万能ショートカットキーです。再変換したい文字を選択した状態(もしくは確定直後)で押すことで、一発で再変換メニューを呼び出すことができます。
まとめ:打鍵感は最高、あとはキー配置に慣れるのみ
記号やIME切り替えの操作でワンテンポ遅れることはあるものの、F87 Proの優れた打鍵感のおかげで、タイピング自体は非常に快適です。かな印字がなく、スペースキーが横に長いUS配列ならではのすっきりした見た目も、所有欲を満たしてくれます。
何より、テンキーレス化によって机の上が広くなり、メモ帳をストレスなく置けるようになったメリットは大きいです。
しばらく触っていれば、手が新しい配置を覚えてくれるはず。早く指を馴染ませて、このお気に入りのキーボードを使いこなしたいと思います。

